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石灯篭の歴史
石灯篭とは・・・
古くは奈良時代、寺院の灯りを保護するために作られらのが「灯篭」といわれています。
現存する最古の石灯篭は奈良時代後期に作成された灯篭が當麻寺(たいまじ)にあります。
安土桃山時代以降日本庭園が独特な様式を確立していくのに伴い、石灯篭も庭園用景物として様式が多様化していき様々なデザインが施されました。
現代では、寺社仏閣だけでなく庭園用として多く広まっています。

石灯篭の歴史
岡崎とは・・・
岡崎の石工品は茨城、香川と並んで石の日本三大産地のひとつと称されています。
なかでも灯篭、多重塔、水鉢等は伝統的技法・技術が今日に受け継がれており、経済産業省の伝統的工芸品に指定されています。
その歴史の長さは400年。岡崎城築城の際、優秀な石工(いしく)を河内・和泉の国から移住させたのがはじまりといわれています。
岡崎では良質な花崗岩が豊富にあったこと、徳川家康由来の神社仏閣にこの地の灯篭を上納したことなどから、岡崎の石工業が発展してきました。
現在でも、国産石灯篭の産地として、日本有数の地となっております。

石灯篭の歴史
石灯篭の種類
当店で扱っているものだけでも100種類以上あります。
岡崎で伝統工芸品として指定されているものは43品目あります。
分類としては、立灯篭、雪見灯篭、活込灯篭、置灯篭、水鉢などに分かれます。当店ではあかりという分類を追加し様々な創作灯篭など産地問屋として多数用意しています

立灯篭 玉、笠、火袋、受、柱、地輪の6つの部品で構成。
種類によっては、地輪の下に基礎を持つものがある
春日型、柚木型、御苑,
平等院など
雪見灯篭 玉、笠、火袋、受、足の5つの部品で構成。
大きな笠と3つまたは4つある足が特徴。
池の近くで水面を照らしたり、庭石の上に据えて庭全体を照らす位置に据えられます。
角雪見、古代雪見、勧修寺など
活込灯篭 玉、笠、火袋、受、柱の5つの部品で構成。
柱を直接地面に埋め込むのが特徴です。
比較的小さなサイズですので、坪庭や茶庭に据えられ水鉢と組み合わせて侘びさびを表現します。
寸松庵、宋易、など
置灯篭 玉、笠、火袋、台などの2〜5つの部品で構成。
庭石などの上にすえることが多く、比較的小型。
坪庭や玄関先にも据えことができます。
天下茶屋、草屋など
あかり 火袋に、ろうそくや電球などが入るようになっており、照明としての機能があるもの。
道あかり万華灯など
その他 かえるやふくろうなど彫刻もの
無事帰るや福を呼ぶなどの縁起物として人気があります。
かえるなど
石灯篭の歴史
春日灯篭などの立灯篭(たちどうろう)は左図のとおり6つの部品に分けられます。それぞれの部品ごとに作成し、最後に組み合わせて完成となります。

各部品にはホゾとよばれる大きな溝が彫ってあり、倒れないように工夫されています。

岡崎の灯篭では火袋が大きく、柱がやや細いのが特徴であり少し頭でっかちのデザインとなっています。灯篭とは本来灯りを点すのが目的ですので、それがデザインに反映されています。


表面は凹凸が少ないビシャン仕上げと凹凸が大きいムシリ仕上げがあります。特にムシリ仕上げは非常に高い技術と時間がかかる、最高級の仕上げです。ムシリ仕上げは大変趣が深く、侘びさびを感じでいただけることと思います。

当店ではムシリ仕上げを中心とした古代風の灯篭を多数取り揃えております
。写真では表現されない侘びさびをぜひ実物を見て感じてみてください。
i石灯篭の歴史
石灯篭の材料となる原石は主にみかげ石(花崗岩)を使用します。
みかげ石の中でも日本国内にはいくつか種類があり、灯篭の他墓石や建築用など用途ごとに様々な石が使われています。近年外国産の石材が主流になり国産の石は使用される量も少なくなりましたが、当店では常に国産の中でも灯篭にあった銘石を選んで使用しています。
当店で主に使用している石をご紹介します。
岡崎中目石 岡崎の代表的な石です。
古くから使われている石で、白と黒が均一に混じっており、非常に粘りがあり加工もしやすい為彫刻にも使用されます。
蛭川石 岐阜県で産出される石です。
白と黒とサビが均一に入り混じっており、非常に温かみのある色合いです。
特にムシリ仕上げとの相性がよく、時がたつほどに程よくコケが付き大変趣きのある石です。
万成石 岡山県で産出される石です。
気品のある美しいピンク色が特徴です。非常に硬く、加工には苦労します。
鬼アラメ石 愛知県豊田市で産出される石です。
文字通り非常に目が粗い石で、墓石の芝石(台)などにも使用されます。
当店ではその模様を生かして灯りなどに使用しています。
鞍馬石 京都府および山梨県で産出されます。京都は本鞍馬、山梨は甲州鞍馬と呼ばれています。庭の飛び石が有名ですが、当店では花器やあかりなどに使用しています。
表面はサビのあるわびさびを感じさせる非常に希少価値のある高価な石です。
石灯篭の歴史
灯篭や庭作りに関する書籍をご紹介します。
初めて灯篭を知る方や家の庭にある灯篭はどのような灯篭かを知りたい方など参考にしていただければと思います。

本のタイトルの通り、日本庭園の集大成の灯篭編です。
プロの庭師さんは必見なのではないでしょうか。
灯篭のことを詳しく知りたいかたにお勧めです。
灯篭ごとの写真や解説が詳しく載っており、庭に詳しくない方でも大変読みやすい本です。
表紙の写真は桂離宮にある雪見灯篭です。

日本を代表する灯篭が多数紹介されています。
灯篭を使った庭のつくりかたが大変詳しく紹介されています
和風庭園の基本が事例の写真とともに解説してあります。
石灯篭の据えかた、庭木の選び方、飛び石の置き方、庭石の配置など分野ごとに分かれており、「自分でできる」のタイトルどおり、個人の方が和風の庭をつくる為のバイブルになっています。
ご自分で庭を作りたい方に大変お勧めです。
日本庭園についての説明が幅広く書かれています。
オールカラー写真で大変読みやすく初心者向けの本です。
「訪ねてみたい庭園55選」というのがあり、全国各地の有名な庭園が紹介されています。
まずは本格的な庭園を眺めてみたいという方必見です。
京都の坪庭の写真集です。
京都を中心とした写真で有名な写真家水野克比さんの作品集です。

日常では灯篭の入るようなお庭はあまり見かけることはありません。
そのようなお庭はほとんどないのではなく、外からは見えないことところが多く、通常見ることはできません。
それをすばらしい写真で紹介してあるのが、「京の坪庭」です。
お庭ごとの詳しい解説はありませんが、京都の坪庭が灯篭、つくばいとともに大変美しくに撮影されています。
ホンモノを知りたい方必見です。
石都岡崎の職人の大先輩である塚本さんの本です。
昭和の石屋の仕事の様子や加工の方法が小説の形でつづられています。
岡崎の石屋には懐かしく、岡崎でない人にも当時の仕事の大変さや面白さが伝わってくるとても読みやすい本です。
石造文化財を扱ってこられた左野勝司さんの本です。有名な文化財の修復や運搬に関する数々の逸話がつづられています。
石屋さんでなくても楽しく読むことができます。モアイの話だけでも読む価値があります。
飛び石、敷石を施工するときの教科書です。
ご自分で飛び石を轢いてみようという方はもちろん、プロの方でも参考になると思います。カラー写真も多く掲載されており、作庭の参考になる非常に便利な本です。
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